(高雄中央社)模型船を使って実船の性能を推定する「船型試験」を担うナショナルチームの発足式典が21日、南部・高雄市の高雄ソフトウエアパークで開かれた。蔡英文(さいえいぶん)総統は式典のあいさつで「船型試験は『国艦国造』(軍艦の自主建造)の推進において非常に重要な一環」だとし、ナショナルチームの立ち上げは「船型試験を台湾で行う決意を各界に示すものだ」と自信を見せた。
台湾は近年、国艦国造政策を推進している。船型試験の能力強化を目指し、行政院(内閣)は昨年、国内で不足している運動性能水槽の研究開発を行う実験室の設置を承認。実験室は高雄市の興達港に置かれ、2025年に供用開始予定。設置には約31億3700万台湾元(約142億6000万円)を投じる。今年2月には南部・台南市の成功大で高機能試験水槽の拡張工事も始まった。
海洋政策の策定などを担う国家海洋研究院によれば、台湾大や台湾海洋大、成功大、中山大と協力し、船型試験のニーズを満たしていく。今後は専門人材の育成も進め、造船産業の競争力強化を図るとしている。