環境に優しい農業が進められている中部・南投県信義郷の原住民(先住民)集落で台湾固有の野生動物に加え、猛禽類で首をかしげるカンムリオオタカの姿が赤外線カメラに捉えられた。環境保全型農業の推進による成果だと地元の人々から喜びの声が上がった。
農業部(農業省)林業・自然保育署南投分署が1日、報道資料で明らかにした。同分署によれば、同郷人和村の茶園に設置されたカメラには希少種のミミセンザンコウや台湾固有種のタイワンヤマネコが行き来する姿も写っている。
集落の人々と野生動物の共存を目指し、同分署は2020年から同村を含む複数の集落で環境負荷を減らす農法を推進。自然と人間が共生する場所を意味する「里山」の概念も広め、経済生産と野生動物にフレンドリーな里山環境の両立を図ってきた。
同分署の李政賢分署長は、タイワンヤマネコやミミセンザンコウなど保全が必要な動物の出現は地元での取り組みが奏効したことを証明したと指摘。より多くの集落が取り組みに加わればと期待を寄せた。