今年5月、東部・花蓮県で罠(わな)にかかり、げかをしたタイワンツキノワグマ1頭が1カ月余りの治療を経て回復し、12日、山中に返された。その後の追跡や個体の識別ができるよう、首輪式の発信器と耳標が装着されている。
放獣されたのは雄のクマで推定年齢2歳。地元に住む台湾原住民(先住民)族ブヌン族から「Lizuk Dumaz」という名前がつけられている。Dumazは「黒いクマ」、Lizukは「パワー」を意味するという。中国語名は「力鹿克」。
林務局花蓮林区管理処によれば、力鹿克は5月初めに、同県南部にある標高337メートルの茶畑でワイヤーロープの罠にかかり、左前肢の指2本の切断手術を受けた。術後の経過が良好なため、迅速な放獣の実施につながった。
クマとのトラブルを防ごうと、同処は村の周辺にフェンスセンサーを設置。クマが付近に近づいたら駆除に乗り出す方針。