南部・嘉義県の県定古跡「民雄大士爺廟」の周辺に色とりどりの傘で飾ったアンブレラロードがお目見えした。今月中旬から始まる伝統行事に合わせて特別に設置されたもので、廟側は記念撮影の際のお役に立てればと期待している。
大士爺は幽霊を鎮圧・征服する鬼のリーダー、「鬼王」のことで観音菩薩の化身とされる。言い伝えによると、あの世の扉「鬼門」が開き、先祖や無縁仏の霊がこの世に戻ってくる旧暦7月になると、民雄一帯では幽霊の悲鳴が聞こえるなど、不気味な雰囲気に包まれる。
これらの霊を供養して鎮めるため、廟側は毎年旧暦7月21日から23日にかけて国の安定と人々の無事を祈願する「民雄大士爺祭」を開く。すでに100年以上の歴史を誇っており、県にとって重要な民俗文化財となっている。
翁章梁県長によれば、法要の期間中、紙などでできた高さ3メートル超の大士爺の像が開眼され、儀式の進行を見守る。法要終了後、像は燃やされるが、「この時期にしか見られない光景をぜひ見に来て」と呼び掛けている。