(台北中央社)国家宇宙センター(国家太空中心、TASA)が設計と製造を行った超小型衛星「山雀(PARUS)T1」が台湾時間15日午前3時過ぎ、米カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地から、米国の宇宙企業スペースXのロケットに搭載して打ち上げられた。打ち上げの約1時間後に高度515キロで地球低軌道に放出され、同11時過ぎには地上局との通信に成功した。
山雀は「キューブサット」と呼ばれる規格の超小型衛星。山雀T1は縦10センチ、横10センチ、高さ30センチで製造された。他に縦10センチ、横10センチ、高さ60センチの衛星の開発計画も進めている。
TASAは山雀T1の打ち上げを通じて、主にTASAのキューブサット設計・製造能力の検証を行い、姿勢が安定すれば通信実験や自動船舶識別装置のテストも行いたいとしている。衛星の寿命は1年だという。
TASAはさまざまなイノベーションが宇宙空間で実験できるようにするため、キューブサット本体の研究開発に着手したと説明。将来的には産業や学界に汎用(はんよう)のキューブサット本体を提供し、研究開発の時間短縮や台湾の宇宙領域での競争力向上に寄与できるだろうとした。
山雀の1号機「T1A」は、日本のスペースワンが先月18日に打ち上げた小型ロケット「カイロス」2号機に搭載されたが、打ち上げ失敗により軌道投入には至らなかった。