(台北中央社)数位発展部(デジタル発展省)は8日、低・中軌道衛星通信がすでに離島を含む台湾全土をカバーし、通信強靭(きょうじん)性のマイルストーンに到達したと発表した。台湾全土で、緊急事態発生時に指揮部門にテキストメッセージの送信やビデオ通話などのサービスを提供可能になった。
重大災害発生時には電話やインターネットが使用できなく可能性があることから、同部は指揮系統の通信強靭性を高めようと、昨年から2カ年計画で非同期衛星の検証を開始。既存の通信ネットワークが中断した際に低軌道、中軌道の衛星通信ネットワークを緊急対応通信ネットワークとして利用できるのか実現可能性を確認してきた。台湾の軍政指揮系統が緊急事態下でも通信能力を備えられるようにする狙いがある。
台湾は中軌道衛星についてはSES社、低軌道衛星はワンウェブのサービスを採用している。この日開かれた記者会見に出席した同部強靭性建設司の鄭明宗司長は、SES社の中軌道衛星通信ネットワークは24時間接続可能であり、ワンウェブの低軌道衛星はリアルタイムでのテキスト送信、音声通話、ビデオ通話、標準画質での動画閲覧などがスムーズに行えると説明。低軌道衛星については現時点では24時間の接続はできないとした。