(プラハ中央社)二胡や琵琶といった中国伝統楽器で合奏する「国楽」の団体、台湾国楽団(ナショナルチャイニーズオーケストラ台湾)が9日から15日にかけ、チェコ公演を行った。現地の博物館で行われた式典やコンサートで演奏を披露し、台湾文化の魅力をチェコの人々に伝えた。
一行は11日、プラハの国立博物館で始まった、国立故宮博物院の収蔵品を展示する特別展の開幕式に登場。台湾の宗教行事を題材にした曲や民謡などの他、アンコールではチェコの作曲家ドボルザークの「新世界より」の第2楽章「家路」を披露。台湾の郷愁とチェコの情感が音楽で交わり合い、鳴りやまぬ拍手が送られた。
12、13両日には、台湾で祝い事の時などに行われる宴席「弁卓」をテーマにした、音楽劇型のコンサートを開催した。団員たちは料理の調理や配膳をする役に扮し、包丁やまな板、鍋などを用いてリズムを刻み、ステージを活気ある厨房(ちゅうぼう)へと変貌させる場面もあった。
会場には故郷への思いを募らせ、涙を流す華僑の観客の姿が多く見られた。国楽に初めて触れるチェコの人々にとっても、音楽を通じて台湾文化の生命力や温かさを伝える機会となった。
同団はこのほか、歌仔戯(台湾オペラ)のワークショップや「台湾の弁卓文化と国楽の出会い」を取り上げた講座も開催した。