(大阪中央社)大阪・関西万博に合わせて文化部(文化省)が主催する台湾文化PRイベント「We TAIWAN」が2日、開幕した。1日には大阪市のグラングリーン大阪にある文化施設「VS.」で展示の一部が報道陣に公開され、文化部の王時思(おうじし)政務次長は、さまざまなメディアや角度を通じて台湾は何かを立体的に表現したと述べ、日本人や外国人に現代の視点で台湾の文化の深みと多様な姿を知ってほしいと語った。
公開されたのは、台湾の山や海のうごめきを表現した「台湾スペクトル」。王次長は、色や音、映像、歴史的な絵画作品、伝統工芸など、異なった角度から物語を語り、台湾文化の深さと幅広さを示したと話した。
展示は三つのテーマに分けられている。キュレーターの林昆穎さんによると、「台湾本色」では台湾で早くから活躍した芸術家の作品を題材として取り上げ、「光織自然」では染織文化や自然の記憶、職人の技に焦点を当てた。「島嶼声譜」では台湾のさまざまな音を通じて来訪者の記憶を呼び起こすという。
光織自然では芸術家の陳景林さんが手掛けた、幅9メートル20センチ、高さ2メートル94センチの藍染め作品を展示。台湾最長の河川、濁水渓の雄大な風景と文化的な象徴が表現されている。
陳さんは中央社の取材に、濁水渓に近い自身のふるさとへの思いや記憶にインスピレーションを得たと説明。かんがいの重要な生命線であるだけでなく、生活や物産にも大きな役割を果たしていると語り、調査や構想に1カ月半、1000時間以上を費やして完成させたと明かした。
展示は20日まで。