(台南中央社)南部・台南市で日本統治時代の約95年前に、日本や西洋から持ち込まれた商品を扱う「五福商店」として建てられた建物の修復工事が終わり、16日には同市の黄偉哲(こういてつ)市長や文化部(文化省)の関係者らが現地を視察した。黄氏は「まるで一つの芸術品のようだ」と感想を述べた。
黄氏は同店について、同様の形態の店舗としては台南で初めて台湾人が開いた商店だったと説明。営業終了後、建物は数十年間にわたって外部に貸し出されていたと語った。
修復には所有者と市が共同で申請した文化部の補助金が活用された。黄氏は、修復費用は約3100万台湾元(約1億4千万円)に上ったとし、このうち約1900万元(約8900万円)が公費で賄われたことに言及。創業者の子孫が共同で費用の分担や関係する連絡などを行ったのは珍しいとして、官民による歴史保護の重要なモデルになったと述べた。
修復では外壁に施されていた店名の「切り文字看板」や装飾が復元された他、建物内部も整備された。