(台北 19日 中央社)台北から台湾桃園国際空港を経由し、桃園市環北までの約51キロを結ぶ桃園メトロ(MRT)空港線が今月2日、ついにプレ開業した。16日からは一般人の試乗が開始されたため、記者も17日に早速鉄道の旅を楽しんできた。
▽直達車は約16分間隔
青色の塗装が目印の普通車の座席は横一列に座るロングシート。直達車は紫色が目印。座席は2人がけの固定式クロスシートで、一部は4人が向かい合わせて座るボックスシートになっている。前席の背もたれ部分には折りたたみ式のテーブルが設置されている。
直達車には飲み物を置く場所もあるが、台北や高雄のメトロ同様、駅構内や車内での飲食は法律で禁じられているので、「うっかり」がないようにしたい。肘掛部分には読書灯のスイッチが付いており、車内wifiと組み合わせてちょっとした仕事をすることが可能。クロスシートの間隔は少々窮屈だが、乗車時間を考えると許容範囲か。
▽変化に富んだ風景が楽しめる車窓
列車は地下にある台北駅を出発すると、淡水河を越えたところで地上に出る。大部分がかなり高いところを走る高架区間で、空中散歩している感覚が味わえる。特に有名な観光名所が望めるというわけではないが、これまでとは違う角度で都市から空港へと変化に富んだ景色が見られるのは新鮮だ。
▽分かりやすさが「ウリ」の空港線 安さを求めるなら高速バスで
とはいうものの、空港線は渋滞による遅延はなく、40分前後で確実に到着するという安心感は大きい。慣れない人には敷居の高い高速バスに比べて、路線や運行状況が把握しやすいというのも魅力だ。満員で次の便を待つ心配もいらない。
ただ、運賃面でみると、空港線が台北−桃園空港160台湾元(約590円)なのに対し国光客運の運賃は125元(約460円)。国光客運は3月から台北と桃園空港を結ぶ路線の減便を発表しているものの、関係筋は「ドル箱路線をみすみす手放すことはしない」と話しているほか、深夜早朝便に搭乗する場合は、引き続き高速バスを利用する必要があるだろう。
林口駅はアウトレットパーク、桃園体育園区駅は桃園国際野球場に近く、高鉄桃園駅には大型水族館も建設される予定。開通で沿線がいっそう活性化することが期待される。今後の発展が楽しみに感じた。正式開業は3月2日。
(齊藤啓介)