中華圏の映画人にとって最高栄誉とされる映画賞「ゴールデン・ホース・アワード」(金馬奨)の第53回授賞式が11月26日に台北市内で開催される。世界各地の中国語および華人製作の映画を対象とし、23の賞を授与する。
主演女優賞には台湾からティファニー・シュー(許[王韋]ネイ)とウー・クーシー(呉可熙)の2人がノミネート。このほか、ファン・ビンビン(范冰冰)、チョウ・ドンユイ(周冬雨)、マー・スーチュン(馬思純)の中国大陸の女優3人が名を連ねた。全員が20、30代で、主演女優賞へのノミネートは初。フレッシュな顔ぶれでの争いとなる。(ネイ=寧の下半分が用)
◯ティファニー・シュー(32)
台湾の都市伝説を題材にしたホラーサスペンス「紅衣小女孩」で、失踪事件に勇敢に立ち向かう女性を演じたティファニー・シュー。ティファニーは今年の台北映画祭(台北電影節)で、同役とその他の出演作2作の演技が評価され主演女優賞を受賞している。
金馬奨は2014年に「相愛的七種設計」で新人賞にノミネート。主演女優賞へのノミネートは初となる。
◯ウー・クーシー(年齢非公表)ウー・クーシーはミディ・ジー(趙德胤)監督の「マンダレーへの道」(再見瓦城)で、不法入国者としてタイで働き、最終的には台湾に移住することを願うミャンマー出身の女性を演じた。同作は今年のベネチア国際映画祭ベニス・デイズ部門に出品され、クーシーの演技には称賛の声が集まっていた。
金馬奨へのノミネートは初。クーシーは自身のフェイスブック上に感謝のコメントを投稿し、ミディ監督や審査員に感謝を示した。
◯ファン・ビンビン(35)ファン・ビンビンは、フォン・シャオガン(馮小剛)監督の「我不是潘金蓮」で、自身の潔白を証明するために十数年にも渡って訴訟を続けた農村出身の女性を演じた。まばゆいほどの美貌を誇るビンビンだが、同作では華やかさを封印。野暮ったい田舎女性を演じ切り、新たな一面を見せている。
金馬奨は2007年に「心中有鬼」で助演女優賞を受賞。ノミネートは9年ぶりで、主演女優賞を争うのは初。
◯チョウ・ドンユイ(24)ピーター・チャン(陳可辛)がエグゼクティブプロデューサーを務めた青春映画「七月与安生」で、李安生を演じたチョウ・ドンユイ。同作は13歳から知り合った2人の少女、七月と安生の成長や恋愛模様などを描いた作品。デレク・ツァン(曽国祥)監督は監督賞にノミネートされている。
ドンユイは金馬奨初ノミネート。
◯マー・スーチュン(28)マー・スーチュンは「七月与安生」で、ドンユイとともに主演し、林七月に扮した。
昨年は「左耳」で金馬奨助演女優賞の候補に選ばれており、2年連続でのノミネートとなった。
(名切千絵)