(台北中央社)最大野党・国民党の楊瓊瓔立法委員(国会議員)が、台湾高速鉄道(高鉄)に新駅の増設を要望している。交通部(交通省)は実行可能性調査の実施を約束したものの、一部からは高鉄全線の運行効率に影響を及ぼす恐れがあるなどとして、否定的な声が上がっている。
楊立法委員は、8日の立法院(国会)交通委員会で、中部・台中市の人口は台湾で2番目に多い286万人に達しているとした上で、台中―苗栗(中部・苗栗県)間に新駅を設置し、台中駅の混雑を緩和するよう要望。交通部の陳彦伯(ちんげんはく)政務次長は、調査には少なくとも1年以上の時間がかかるとしながらも、調査が終われば楊立法委員の事務所と改めて協議するとの方針を示した。
これに対し、鉄道の建設計画などを独自に調査する台湾鉄道・国土規画学会は11日、高鉄の駅間距離は50キロ以上あるべきだと主張。さらに駅を増やした場合、列車の運行速度が遅くなるとの懸念を示した。
また工事の難しさを指摘した上で、駅の設置には広大な土地や駅周辺の都市計画などを考慮した交通システムの整備などが必要だとし、慎重な対応を求めた。