(台北中央社)国民党政権が市民を弾圧した1947年の「2・28事件」から28日で78年を迎える。南部・嘉義市では26日、追悼式典が行われた。犠牲者の遺族で財団法人嘉義市二二八記念文教基金会の江栄森董事長(会長)は、事件の元凶とされる蒋介石元総統の銅像が現在も中正記念堂(台北市)のホールに鎮座していると指摘し、政府に対し、早急な撤去を呼びかけた。
出席者は記念碑の前で黙とうをささげ、献花した。江氏は、政府が進める移行期の正義はいまだに完了していないと強調。加害者である蒋介石の銅像が人民から仰ぎ見られることは、遺族にとって最も受け入れがたいことだと訴えた。
黄敏慧(こうびんけい)嘉義市長は、1989年に全国で初めて2・28事件の記念碑が嘉義に建てられたと説明。最も重要なのは、同じ過ちを繰り返さないことだと強調した。
総統府の張博雅(ちょうはくが)資政(顧問)は、辛く悲しい出来事を社会の人々に理解してもらい、歴史の教訓をくみ取らなければならないと語った。
黄市長らはその後、嘉義市二二八記念館を訪れ、3月23日まで開催される特別展の開幕式に出席した。全国28カ所にある記念碑設置のいきさつやデザインのコンセプトなどを通じて各地の2・28事件への理解を深められる内容となっている。