(ベルリン中央社)ドイツ・エッセンなどで開催中の世界ユニバーシティー夏季大会に合わせ、台湾代表団が現地の診療所に開設したサポート拠点の入り口に中華民国国旗を掲出したところ、市長の秘書室が診療所の所有者に撤去を求めるトラブルがあった。その後台湾側の抗議を受け、クーフェン市長は23日、書面で台湾に謝罪した。謝志偉(しゃしい)駐ドイツ代表(大使に相当)が24日、明らかにした。
市長の秘書室が22日午前に診療所の所有者に送ったメールには、ロシアやベラルーシを例に挙げ、国際大学スポーツ連盟(FISU)が定めた規則に基づき、国旗を大会期間中には掲出してはならないと書かれていた。また台湾は中国の一部だとする主張も含まれていた。
謝代表は同日、教育部(教育省)体育署の鄭世忠署長からの連絡を受けて代表処内で協議し、クーフェン市長に対し同日夜に謝罪を求めたと説明。市には会場外に掲出された国旗の撤去を求める権利はないことなども伝えたとした。
これに対しクーフェン市長は23日、書面で「台湾ドイツ関係を傷つける意図はなかった」として台湾に対して謝罪。オフィスの職員が確認を受けずにメールを送信したと釈明したと明らかにした。
謝代表は24日、フェイスブックを更新して今回のトラブルを報告。診療所の所有者から寄せられた、自らと医療スタッフは台湾を支持し今後も誇りを持って台湾の国旗を掲げるとのメッセージも伝えた。
今回の世界ユニバーシティーでは23日、銀メダルを獲得したテコンドー男子団体に宛てられた祝電を中国人が奪おうとする騒ぎが発生。鄭署長は、中国側から台湾への挑発行為が20日以降繰り返されていると明らかにしていた。