(台北中央社)ドイツ・エッセン市などで開催中の世界ユニバーシティー夏季大会を巡り、中国側による台湾への挑発行為が相次いでいることが分かった。23日にはテコンドー男子団体で銀メダルを獲得した台湾代表選手に送られた祝電を、中国人が奪おうとし、台湾の報道陣らと言い争いになるトラブルが起きた。頼清徳(らいせいとく)総統は24日、フェイスブックを更新し、中国側に対して厳しい非難を表明した。
教育部(教育省)の鄭世忠体育署長は24日、交流サイト(SNS)のスレッズを通じ、20日に卓球の男子団体決勝で台湾が中国を破って優勝して以降、中国側は台湾代表団を繰り返し挑発していると指摘。試合時に観客が「台湾頑張れ」と応援したことを規定違反だとして大会に抗議があったとした。
テコンドー男子団体で銀メダルに輝いた台湾の洪俊義、鍾俊傑、黄卓乗に対し報道陣が取材を行おうとした際には、突然中国人男女2人が近づき、体育署職員が選手に渡そうとした祝電を奪おうとし、言い争いとなったという。
さらに中国からの圧力を受けたエッセン市が、台湾代表団が開設した診療所の所有者に対し、入り口に掲出していた中華民国国旗を撤去するよう求めるトラブルも発生したと明らかにし、中国の野蛮で暴力的な行為を厳しく非難するとした。
また頼総統は、スポーツマンシップや世界ユニバが掲げるフェアプレーの精神に反する行為は遺憾だと強調。出場の選手に対し、改めてエールを送った。