(台北中央社)台北市内に建設中の複合商業施設「京華広場」を巡る贈収賄事件で、検察と法務部(法務省)廉政署は30日午前、腐敗防止条例違反(不正に利益を図った罪)の疑いで柯文哲(かぶんてつ)前台北市長の自宅と柯氏が党主席(党首)を務める民衆党の本部などを家宅捜索した。柯氏は正午ごろ、自宅前で取材に応じ、「私は非常に正々堂々としている。自身に問題がないと知っている」と強調した。
柯氏の市長在任中、同施設の容積率が大幅に増やされたことから、施設の事業者に便宜を図った疑いが持たれている。台湾台北地方検察署(地検)は今年5月、告発を受けて捜査に乗り出した。同事件で野党・国民党の応暁薇台北市議とその助手、施設の開発を手掛けるコア・パシフィック・グループ(威京総部集団)の沈慶京主席(会長)の3人が30日までに収賄の罪などの疑いで勾留された。
検察と廉政署は30日午前、約4時間にわたり家宅捜索を実施した。正午前に検察と廉政署の職員の付き添いの下で自宅を出た柯氏は、押し合いへし合いを繰り広げる報道陣を前に静かにするよう促した後で談話を発表した。「台湾史上初めて主な野党の主席の自宅やオフィス、党本部が家宅捜索された」と述べ、「政権当局は何の証拠があってこの動きをしたのかはっきりと説明してほしい」と訴えた。
談話発表後、柯氏は妻の陳佩琪氏と共に車に乗り込み、廉政署に移動した。検察と廉政署側は柯氏と彭振声前台北副市長に対して任意での取り調べを行い、陳氏を参考人として事情聴取した。