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「裸婦画」描いた展覧会看板が物議 主催者、絵を覆い隠す形で対応/台湾

2024/05/02 12:36
李石樵の「横臥裸婦」
李石樵の「横臥裸婦」

(新北中央社)北部・新北市内で開かれている展覧会の屋外看板に裸婦画が描かれ、一部で物議を醸している。展覧会の後援団体などに抗議の電話も入っており、主催者側は裸婦画の部分を覆い隠す方式で対応することを決めた。

展覧会は日本統治時代の1934(昭和9)年に台湾人と日本人の画家らが立ち上げた台陽美術協会の設立90周年に合わせたもので、李梅樹記念館が主催。「春色無辺」をテーマに4月27日に開幕した。メインビジュアルに同協会創設メンバーの一人、李石樵(1908~95年)の「横臥裸婦」が採用された。同作にはソファに横たわる裸の女性が描かれている。

抗議を受け同館は4月30日夜、フェイスブックで声明を発表。メインビジュアルに「横臥裸婦」を選んだのは、作品が代表的なものであり、台陽美術協会の画家たちが芸術の自主性を堅持した時代の精神を象徴するものだからだと説明した。

同館によれば「横臥裸婦」は36(昭和11)年、当時の台湾総督府に風紀上不適切として展覧会での展示を禁じられた過去を持つ。一方で李石樵は圧力に屈せず、後の展覧会で複数の裸婦画を展示。同協会のメンバーらも相次いで裸婦画を出品し、「市民的不服従」の態度を浮き彫りにした。

同館の作品収蔵や展示などに携わる李梅樹文教基金会の李景文執行長は1日、中央社の取材に対し、同館は看板を撤去せずに、絵の部分を覆い隠すことで論争を収束させると強調。後援団体などに抗議の電話が入るとは思いも寄らなかったとし、これらの電話を回避するために、記念館は4日までに看板の絵の部分を隠す作業を完了させると説明した。看板にQRコードを掲載し、展覧会の趣旨などを理解してもらえるようにするという。

(王鴻国、楊侃儒/編集:田中宏樹)

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