(台南中央社)国民党政権が市民を弾圧した1947年の「2・28事件」で、身をていして市民を救った南部・台南市出身の弁護士、湯徳章(日本名:坂井徳章)の没後77年追悼会が13日、同市の湯徳章記念公園で開かれた。湯徳章の生涯にスポットを当てたドキュメンタリー映画が放映された。
湯徳章は日本人の父親と台湾人の母親との間に生まれた。2・28事件の発生後は、地域の治安維持に努めていたが、軍により首謀者と見なされ、3月13日、現在の湯徳章記念公園で公開処刑された。台南市では2014年に、この日を「台南市正義と勇気の記念日」と定め、湯徳章の理念と功績をたたえている。
追悼会は同市政府と湯徳章記念協会が主催した。黄偉哲(こういてつ)台南市長らが出席し、思いをはせた。湯徳章の父親の出身地、熊本県宇土市の元松茂樹市長も参加した。
また追悼会では、15日に台湾全国で公開されたドキュメンタリー映画「尋找湯徳章」(仮訳:湯徳章を尋ねて)が初めて放映された。黄市長は、映画を通して、人々に歴史や人権、自由への関心を呼び起こし、自由と人権を守るために努力をした先人について、次の世代に知ってもらいたいと話した。また市政府も劇場と連携して、より多くの学生に湯徳章の人生を知ってもらい、人権教育を推進していきたいとした。
湯徳章記念公園は台南市で初めて2・28事件の「不義遺跡」(不正義遺跡)に認定されており、この日は、解説碑が公開された。地図や文章が書かれ、この場所で起こった出来事を伝えている。市政府と国家人権博物館が共同で制作した。