 
                  (新竹中央社)陸軍装甲第584旅(旅団)聯兵(連合大隊)三営が、米国から調達したM1A2T「エイブラムス」戦車に装備を更新し、部隊発足式が31日、北部・新竹県の湖口営区(駐屯地)で行われた。式典に出席した頼清徳(らいせいとく)総統は「実力でこそ真の平和をもたらせる」と述べ、国防を強化する決意を改めて示した。
台湾は米国から108両のM1A2Tを調達し、昨年12月に第1陣38両、今年7月に第2陣42両が台湾に到着した。M1A2Tに装備を更新した部隊の発足は今回が初。
M1A2Tは「世界最強の戦車」とも評される。デジタル化された車内装備と遠隔操作式砲塔を備える他、車両間データ通信システム(IVIS)も搭載し、戦場情報を即時に送受信することで全体の作戦能力を大幅に向上できる。装備する120ミリ滑腔砲は、有効射程内で厚さ850ミリの均質鋼板を貫通可能。
政府系シンクタンク、国防安全研究院中共政軍・作戦概念研究所の許智翔助理研究員(リサーチアシスタント)は、現有のM60A3やCM11戦車では現代の対戦車兵器に対抗するのが難しく、市街戦では最初に戦車が撃破され、士気の崩壊を招く恐れがあると指摘。M1A2Tの防護力は歩兵と戦車の共同作戦効果を高めることが可能だとした。一方で、対無人機や協同作戦などを強化するガイドラインの改正や訓練が必要だとの見解を示した。
今後、聯兵一営や二営の他、機械化歩兵第269旅の連合大隊の1部隊もM1A2Tに装備を更新する予定。

