(台北中央社)27日に発表された改造内閣人事で経済部長(経済相)への就任が決まった龔明鑫(きょうめいきん)行政院秘書長は金融・経済分野のシンクタンク出身で、経済部政務次長(副大臣)や国家発展委員会主任委員(閣僚)を務めた経歴を持つ。米関税措置による挑戦に直面する中、定評のある調整能力と先見性、政府での豊富な経験による手腕の発揮が期待されている。
40代の若さでシンクタンク「台湾経済研究院」の副院長に就任し、与党・民進党内で重要な「経済ブレーン」と評される龔氏。にこやかな表情に加え、平易な言葉で国際情勢や経済政策を説明する姿勢からも、誠実で親しみやすい印象を人々に与えている。
頼清徳(らいせいとく)総統は昨年5月の就任後、龔氏のコミュニケーション能力を評価し、行政院秘書長に抜てき。米関税措置の衝撃や中央政府予算案などの重大な出来事の際には自ら説明の場に立ち、意思疎通における重責を担った。
台湾には現在、米関税やハイテク産業が直面する対米投資の圧力、成熟産業の全世界における需要の衰退、中国の不当廉売、関税引き上げと台湾元高のダブルパンチなど、課題が山積している。
経済部長就任後は、台湾半導体産業の優位性の確立と成熟産業が危機を乗り越えるための支援が重要な任務となる。台湾電力の財務やエネルギー問題への対処も注目されることになる。