北部・新北市にある烏来タイヤル民族博物館の調査団が先月、欧州を訪問し、ドイツのベルリン民族学博物館で約100年前に台湾から持ち運ばれた原住民(先住民)族の織物の調査などを行った。新北市政府原住民族行政局によると、今後、文化再生や機織りの技術と知識の復興に役立てられるという。
同局によれば、一行はベルリン民族学博物館やオーストリアのウィーン世界博物館などを訪問し、収蔵されている台湾原住民族関連文物の現状やその経緯を調査した。同局のシク・ヤワイ局長や専門家、烏来の職人らが参加した。
シク・ヤワイ局長は今回の訪問について、文化や芸術で世界と友人になることを主軸に、焦点を調査に当てたと説明。海外で収蔵されている貴重な品々に触れるだけでなく、文物と同じエスニックグループに属する一員としての視点で文化と対話し、理解を深めたと語った。
烏来から運ばれ、民族学博物館に収蔵されていた伝統衣装は、狩りを終えて戻ってきた男性に、家族が栄光と勇気の証として着せたものだとされた。
同局は、今後も海外で収蔵されている文物についてデータベースをつくり、現地のコミュニティーと結びつけて研究の深化を図り、文化的記憶の活用と発展を目指すとしている。