(新北、台北中央社)与党・民進党の立法委員(国会議員)に対するリコール(解職請求)運動で、不正を行った疑いで検察に身柄を移送された男が、ナチス親衛隊のシンボルマークがあしらわれた腕章を身に着け、ナチス式の敬礼をしたことで物議を醸している。ドイツやイスラエルの駐台機関は16日、声明を出し、男の行為を強く非難した。
台湾新北地方検察署(地検)は15日、複数の民進党立法委員に対するリコール署名活動で文書を偽造したなどの疑いで、署名活動の代表者を務める宋建樑容疑者らの自宅や事務所、野党・国民党の区支部などを家宅捜索した。宋容疑者は地検に移送された際、ナチスのシンボルが入った腕章を巻き付けた状態でヒトラーの著書「我が闘争」を手に持ち、ナチス式の敬礼をした。
ドイツ在台協会(大使館に相当)は16日、フェイスブックで、宋容疑者の行為を「恥知らず」だと痛烈に批判。この行為に対して「最も強い非難」を表明した。
イスラエルの駐台代表(大使に相当)も同日、声明で「深い懸念と強い非難」を表明。ナチスのシンボルの使用は歴史上、極めて無神経で不適切だとし、台湾が大切にする民主主義や寛容などの価値観と真っ向から対立するものだと指摘した。
外交部(外務省)は同日、極めて不適切な形で個人の意見を表明することに対して「厳しく非難する」とのコメントを出した。また国民に対し、ナチスのシンボルやジェスチャーが国際社会で表す否定的な意味と歴史的な痛みを理解するよう求め、他国の人々の感情を傷つけ、台湾全体のイメージを損なう言動を行わないよう呼びかけた。
国民党は同日、フェイスブックで、ナチスとファシストに断固として反対する立場を表明した。その上で、宋氏のかつての行動は国民党とは無関係だと強調した。