(東京中央社)台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)の李逸洋(りいつよう)代表(大使に相当)は7日、代表官邸(公邸)で新年会を開き、台日関係のさらなる発展に期待を寄せた。環太平洋経済連携協定(TPP)への台湾の加入実現に向け、日本政府の理解と支持が得られるよう願い、日本との経済連携協定(EPA)締結を積極的に推進していく方針を示した。
李氏は日本語であいさつした。半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本第1工場で昨年末に回路線幅12ナノ(ナノは10億分の1)メートル品の量産が始まったことや熊本第2工場では先進製造プロセスの6ナノ品が生産予定であることを挙げ、台日が新時代の緊密な産業連携にまい進していることを象徴していると言及。日中間でビザ(査証)の緩和措置や人的交流の拡大が進められていることにも触れ、同時に現在の緊密で安定した台日関係の発展を期待すると述べた。
報道陣の取材に対し、台日関係の展望について「とりわけ産業面での協力を期待する」と語り、現在の半導体産業での協力を基礎として今後は人工知能(AI)や無人機、エネルギー分野での連携推進を望む考えを示した。また、台湾は特に水素エネルギーやエネルギー貯蔵に関する技術を必要としているとし、日本が先んじているこれらの分野で台日の連携を拡大し、関係がさらに前進できるよう願った。
新年会には日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の花木出専務理事や泉裕泰前同協会台北事務所代表(大使に相当)、在日台湾人団体の代表者らが出席した。
来賓らには有名店「點水樓」が手掛けた台湾料理が振る舞われた。台湾カステラには「Happy New Year from Taiwan」の文字と頼清徳(らいせいとく)総統、蕭美琴(しょうびきん)副総統による手書きの犬や猫のイラストもあしらわれ、祝賀ムードが演出された。