(台北中央社)台北市内の商業施設建設を巡る汚職容疑で勾留されている第2野党・民衆党主席(党首)の柯文哲(かぶんてつ)前台北市長の弁護人は9日、勾留と接見停止を認めると決定した台湾台北地方法院(地裁)への抗告は行わないと発表した。
柯氏は先月31日、台湾台北地方検察署(地検)に逮捕された。その後、同地検が勾留を請求したのに対し、台北地裁は2日に釈放を決定した。地検は3日、地裁の決定を不服として抗告し、台湾高等法院(高裁)が4日、台北地裁の判断を退けて審理を差し戻した。5日の差し戻し審で地裁は、勾留と接見禁止の請求を認めると決定した。
柯氏の弁護団が9日、連名で声明を発表した。台北地裁の5日の決定について、審理の過程に明らかな錯誤が多数あったとした上で、柯氏が抗告を望まない意向を示したため、本人の意思を尊重して抗告は行わないと説明した。柯氏はこれまでの審理で弁護人に対し、裁判所に迷惑をかけるつもりはなく、もし勾留が決まったら抗告はしないと明言していたという。