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頼清徳政権が幕開け 「堅実」な政治スタイル 近年は柔軟さも/台湾

2024/05/20 18:03
就任演説で海外から帰国し祝賀式典に参加する華僑たちに感謝を示す頼清徳総統=20日、鄭清元撮影
就任演説で海外から帰国し祝賀式典に参加する華僑たちに感謝を示す頼清徳総統=20日、鄭清元撮影

(台北中央社)民進党の頼清徳(らいせいとく)氏の総統就任式が20日午前に行われ、4年間にわたる頼政権が始動した。堅実な性格で知られる頼氏は時に頑固だと評価されることもあるが、党関係者は、前回総統選の党内予備選での敗北を経て、柔軟性が増したとみている。

1959年、北部・新北市生まれの64歳。炭鉱労働者の家庭で育った。台湾大学リハビリテーション学科、成功大学学士後医学科を卒業後、2003年に米ハーバード公衆衛生大学院で修士号を取得した。1991~94年に南部・台南の病院で医師として勤務した後、96年に政界入り。立法委員(国会議員)や台南市長、行政院長(首相)、副総統などを歴任した。

30年近いこれまでの政治家人生では、いつもセンター分けの髪型でいかなる場合でもスーツを着用するなど決まったスタイルを貫いた。頼氏をよく知る党関係者なら皆、頼氏が誰よりも強い使命感を持ち、自己に厳しい態度を取ってきたことを知っている。堅実で頑固な頼氏の政治スタイルは台南市長在任中に市議会議長の選挙不正容疑を理由に議会への出席を拒んだことにも表れている。一方で、保守的過ぎて面白みがなく、人を引き付ける魅力に欠けるとみられることもある。

19年には翌年の総統選の民進党公認候補を決める予備選に出馬。激しい党内闘争が巻き起こり、2期目を目指していた蔡英文(さいえいぶん)総統(当時)に敗北を喫した。頼氏にとっては政治人生で最大の乱流となった。党関係者は、頼氏はこの挫折を経てやや柔軟になり、各方面の意見に耳を傾けるようになったとの見方を示す。

政治以外の内容に言及することが少ない頼氏だが、野球は政治の話題から外れることができる数少ない趣味の一つだ。頼氏には今後、野党優位の立法院(国会)や日々変化する国際情勢、両岸(台湾と中国)関係といった試練が待ち受ける。野球に例えるなら、頼氏は先発投手として登板後、息つく間もなく強敵に立ち向かうことになる。他のチームメートとどのように団結し、技と知恵を見せるか。一球一球が今後4年間の勝負の鍵を握っている。

(葉素萍/編集:田中宏樹)

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