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2・28事件から77年 蔡総統、移行期正義は「特定の政党に矛先向けていない」

2024/02/28 16:58
政府主催の2・28事件追悼式典に出席した蔡英文総統(右から4人目)
政府主催の2・28事件追悼式典に出席した蔡英文総統(右から4人目)

(嘉義県中央社)当時の国民党政権が市民を弾圧した1947年の「2・28事件」から77年を迎えた28日、政府主催の追悼式典が南部・嘉義県で開かれた。式典に出席した蔡英文(さいえいぶん)総統はあいさつで、政府が進める移行期正義は特定の政党に矛先を向けたものではないと述べた上で、民主政治の政府だからこそ権威主義的な統治を行ってきた過去の国家の不法行為に対して責任を負い、その傷の埋め合わせをしていくとの考えを示した。

式典では蔡総統が犠牲者に花を手向けた。犠牲者の家族や陳建仁(ちんけんじん)行政院長(首相)、林右昌(りんゆうしょう)内政部長(内相)、史哲(してつ)文化部長(文化相)らも出席し、献花した。

蔡氏は、事件は台湾の人々の民主主義や自由に対する渇望を引き起こしたものの、権威主義的、高圧的な統治が民主主義の種の発芽を抑えつけ、台湾は白色テロの時代に入ることになったと述べた。また、これらの過去は台湾の歴史の傷跡であるとし、傷を癒すためにはその原因を知る必要があると訴えた。

5月で任期を終える蔡氏にとって、総統として出席する最後の追悼式典となった。蔡氏は、自身が総統を務めた8年間で政府は移行期正義の取り組みを進めてきたと言及。国家人権博物館の業務などについて定める法律や、権威主義時代の政府が行った不法行為による被害者の権利回復についての条例など、5つの法律や条例の制定と改正を行い、移行期正義の取り組みの基礎を築いたと語った。

また、過去と誠実に向き合うことで初めて台湾の民主主義をさらに深め、進化させられると述べた。

(黄国芳/編集:田中宏樹)

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