北部・基隆市には設置から50年以上が経過した3本の発電所の煙突がある。発電所の改築計画に伴い、撤去が検討されているが、地元の歴史文化研究者が「ランドアートとして価値がある」として、歴史的建造物の指定を申請した。市は19日、現地調査を実施し、手続きに沿って審査を進める。
同市協和里に1972年に建設された台湾電力の火力発電所「協和発電所」がある。発電設備は計4基あり、1977年に稼働開始した。2019年に1号機と2号機が期限を迎えたことから運転を停止した。稼働中の3号機と4号機も北部での電力需要に合わせ、ガス火力発電所への改築が計画されている。
煙突の保存を申請した陳世一さんによれば、高さ200メートルの煙突はかつて黒煙を排出していたため、住民に敬遠されていたが、近年は改善が進み、山と海の境界に立つというユニークな景観から、地域のランドマーク的な存在となった。
陳さんは、煙突は住民の記憶を象徴し、産業遺産や電力開発の歴史を伝える資料としての価値に加え、文化創出や観光資源としての潜在力があるなどと、保存の必要性を強調した。
協和発電所は、煙突は高さがあるため、維持管理が難しい上、海からの塩害によって構造の劣化が進み、耐震性の不足も見られると指摘。再建して景観を一新する方針を示した。
この3本の煙突は3本の線香を立てたように見えることから「基隆三柱香」と呼ばれる。