南部・嘉義県でこのほど、希少鳥類に分類されているレンカクの姿が確認された。農業部(農業省)林業・自然保育署(林業署)嘉義分署は26日、報道資料で同分署が進めてきた生息地再生に関する取り組みの実行可能性を示したと伝えた。
レンカクは主に水田や湿地などに生息し、台湾では絶滅する恐れのある野生動物の第2級(貴重で数少ない)に指定されている。
レンカクの生息環境づくりに取り組んでいる林保署嘉義分署は今年5月25日、官民一体のボランティア活動を実施。同県水上郷の湿地エリアに位置する九芎埤でガガブタやヒシなどの浮葉植物計2万株を栽培し、レンカクが繁殖や生息のための環境を構築しようとした。
約2カ月後、雄2羽と雌1羽の計3羽が現れた他、4個の卵が入った巣も確認された。残念ながら、7月末の連日の雨の影響で水温が下がり卵はふ化できなかった。
同分署は結果は残念だったが、こうした生息地の再生取り組みは実行可能であることを示したとし、レンカクの繁殖成功を目指し、来年もその生息地の最適化を続けていきたいとした。
同分署によれば、台湾でのレンカクの個体数は30年余り前の50羽未満から現在では3000羽を上回っているものの、ヒシの栽培農家の高齢化や気候変動などによってその生息地の減少が懸念されている。