台北市立美術館で27日、日常に知らず知らずのうちに残されたさまざまな「痕跡」をコンセプトとした展示会が始まった。生活の中で見逃されがちな断片を目に見える形や手で触ることができる形などに変えるなどし、斬新な鑑賞体験を提供できると同館はアピールした。
展示会は「痕跡のささやき」(痕跡悄悄話)と題され、子どもが理解しやすいように、抽象的な概念を具体的な経験として表現したフランス人芸術家1人と台湾人芸術家2人の作品が見られる。
同館は、シーツのしわや床の足跡、ぐしゃぐしゃに丸められた紙、食事中、服についた醤油のシミなどの小さな印は、今さっき何をしたかを記録した生活のプチ日記のようだと紹介。ぼんやりとしていてはっきりと見えるわけではないが、しばしば芸術家の目を引き付けると説明した。
台湾人芸術家の一人、蕭禹琦さんは古い服を再利用した作品「蔓延攀爬」を出品。募集してきた服をカットしそれを壁から地面に垂れるように編むことで、滝のような布のランドアートが出来上がる。その場で来場者と一緒に制作したり子どもが自由に作品をよじ登ったりすることもできるという。
同展は同館児童芸術教育センターで来年2月22日まで。