教育部(教育省)が、台湾原住民(先住民)族の児童や生徒が多く学ぶ小中学校を対象に、魅力ある学校づくりを促す補助金制度を設けている。東部・台東県達仁郷の土坂ブサン実験小学校では、この制度を活用して建設したパイワン族の伝統家屋を再現した校舎で授業を行っている。
同小の顔正一校長は、家屋はパイワン族の民族文化の核心だと説明。校舎の建設に当たっては集落の高齢者を訪ねたり、歴史資料を研究したりして、大きさや様式の正確性を高めた他、地元の建材や伝統的な建設技術を採用し、原住民の祖先の知恵を復刻したと語った。
現在ではこの校舎内で環境保護や生態保全、伝統的な信仰や儀式、エスニックグループの関係や集落の歴史などに関する授業を実施。大学の教授や学生らとの交流も行っている。
教育部によると、23年度までに45校がこの制度を利用しているという。