台北市の中心部にある台北駅では19日から21日まで一風変わった忘年会が行われた。駅周辺で寝泊まりする路上生活者が対象だったのだ。主催者側は人々が貧困問題を知るきっかけになればとしている。
ホームレス支援団体「人生百味文化建構協会」が2015年から始めた。住む家を持たない人は日雇い労働などで生計を立てている人が多く、忘年会を楽しむ機会なんてなかなかない。そんな人達にも熱々の食べ物で一年の苦労を忘れてほしいという発想から始まったという。
提供された食べ物は各界から募ったり同団体の理念に呼応した人々が自ら作ったりした。路上生活者の人に好きなのを選んでもらおうと、スタッフたちがさまざまな食べ物を載せたカートワゴンを押しながら移動した。
去年、友達の紹介で同イベントを知り、力を貸したという女性は中央社の取材に対し、子供たちも社会問題を理解するべきだとの考えから、今年は3人の娘と一緒にエッグタルトを作ったと話した。女性は、子供がホームレスを見かけたとき、「怖い」「汚い」というイメージの代わりに、相手の事情を理解し思いやりを持って接してほしいとの心境も吐露した。
台湾では旧正月(春節、今年は2月10日)が近づくと、1年の労をねぎらおうと、あちこちで日本の忘年会に当たる「尾牙」が開催される。