南部・台南市の沿岸部に位置する将軍区でこのほど、スズメ目モズ科に分類されるアカオモズが確認された。これまで台湾本島で記録されたことがないため、珍鳥の写真を撮ろうと多くの愛鳥家が駆けつけた。
アカオモズは体長約19センチの小型の鳥類。主に中央アジアの砂漠帯の低木林などに生息している。アラビア半島南部やアフリカ東部、中部などで越冬するが、東南アジアではめったに見られないという。
台湾野鳥保育協会の黄蜀婷理事長は中央社の取材に対し、この個体は地元の中学生によって発見されたと説明。約1週間前に同区に飛来したとのことで、愛鳥家の間で情報が広がると、お正月休みの期間中、大勢の人が同市に押しかけてきたと述べた。
飛来した個体は幼鳥と見られるが、写真に写っている昆虫や小さいカニなどを採食している様子から、「すでに餌探しの達人になった」とされている。
黄さんによれば、アカオモズは希少な野生動物ではないものの、台湾への渡来は2018年に離島・金門で1度しか観察されたことがない。