豊かな生態系を有することで知られる南部・台南市の国定古跡、台南山上花園水道博物館。吸血性害虫を退治しようと、館内の“住民”であるコウモリを利用した生物的防除法が試みられている。
同館は日本統治時代建設の水道施設跡を利用したもの。博物館エリアと浄水池エリアの2大部分からなり、敷地面積が広く、さまざまな種類の植物が生息している。生態系への配慮から館内では虫よけ剤などを使用していないため「小黒蚊」と呼ばれる吸血性昆虫による痒み被害が起きる。
環境問題に取り組む地域の教育施設と話し合った結果、浄水池エリアに生息し虫を食べてくれるコウモリの休憩場所として小黒蚊が多発する地域周辺に小屋を設置することになった。
同館はまた民間業者から寄贈された廃タイヤを多肉植物の盆栽として利用。コウモリの小屋と共にユニークなインスタレーションを構成している。来館者が間近に生物を観察する新たなスポットになればと期待が寄せられている。