写真は南部・嘉義県布袋鎮の廟、魍港太聖宮に祀られている神様「李大王爺」。凛々しくも慈悲深い表情を浮かべている。ただ、なんとなく頬のひげの長さが揃っていない。なんでも「スズメに噛みちぎられた」という。
魍港太聖宮はさまざまな鳥類が生息する自然豊かな「雲嘉南濱海国家風景区」内に位置する。夕暮れ時には群れを成したスズメがよく廟内に飛来しあちこち飛び回る。糞を残していくことも多々あり、「なぜ追い払わないのか?」と不思議に思ったりする参拝客もいる。
「6年前に廟の入り口に防鳥ワイヤーを張ったが、隙間から潜り込んでしまうのだ」と廟側の人は中央社の取材に明かす。あの手この手を尽くしても徒労に終わり、神様の片方のひげを齧られたことさえあるとか。
李大王爺からのお告げによれば、「鳥は報復のために来た」自然を尊重し自由に出入りさせなければならないとのことらしい。それでも、2度と神様のひげが被害を受けないように、神像の前には柵がめぐらされている。