(台北中央社)パリ五輪でボクシング女子の試合に出場し、性別を巡る論争の渦中にある台湾の林郁婷とアルジェリアのイマネ・ヘリフについて、国際ボクシング協会(IBA)は5日に開いた会見で、両選手が試合に出る資格を有していないとの見解を示した。これを受け教育部(教育省)体育署は6日、林の出場資格については疑う余地がないと国際オリンピック委員会(IOC)が正式に公表していると説明した上で、IBAに対して厳正に抗議すると発表した。
両選手は昨年、IBAが主催する世界選手権の際に行われた性別テストで不合格となり、同大会の出場資格が取り消された。IBAは当時、検査で両選手が通常男性に見られるXY染色体を有していることが判明したと明かしたものの、詳細な説明はこれまでに行っていない。
5日の会見でIBAは、両選手が試合に出場する資格を有していないと改めて主張。だが会見の内容はIOCやIOCのバッハ会長への批判が主で、具体的な証拠は示されなかった。
体育署は、IBAは選手の試合出場の権利に配慮せず、誤った情報を発表し続け、耳目を惑わせ、大会の正常な進行を妨害しようとしていると批判した。
また中華オリンピック委員会も6日、IBAに対して法的措置も辞さないとする警告文を発するよう弁護士に依頼したと発表。今後もIOCとの連絡を密に取り、共同で選手の権益を守るとした。
IBAは組織運営などを問題視され、IOCから統括団体としての承認を取り消されているため、パリ五輪の大会運営には関わっていない。