(高雄中央社)半導体受託製造世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の秦永沛エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼共同最高執行責任者(共同COO)は31日、回路線幅2ナノ(ナノは10億分の1)メートル品の量産を今年下半期に開始する予定だと明らかにした。同社が南部・高雄市の楠梓科技園区(サイエンスパーク)内の工場で行った式典で言及した。
高雄工場には計5棟の建設が計画されており、この日は第2棟(P2)の上棟式も行われた。第1棟(P1)では昨年11月に製造装置の搬入が始まった。この他、北部・新竹県でも2ナノ品の工場を建設しており、今年中に量産が始まる予定。
秦氏は、TSMCの2ナノ技術は集積密度とエネルギー効率の点で世界最先端だとし、3ナノ品と比較すると同じ消費電力では速度が10~15%向上し、同じ速度では消費電力が25~30%削減されると説明。同社の2ナノ品が今後、スーパーコンピューターやモバイルデバイスなど、世代を超えた先端テクノロジー製品に広く取り入れられるだろうと語った。
また、高雄工場への投資額は計1兆5000億台湾元(約6兆8000億円)を超え、ハイテク分野で7000人以上の雇用を創出すると言及。TSMCは政府の関連機関と密に議論してさらなる工場用地を探しており、台湾での投資拡大を継続すると述べた。
式典には卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)や郭智輝(かくちき)経済部長(経済相)、陳其邁(ちんきまい)高雄市長らも出席。卓氏は頼清徳(らいせいとく)総統から、祝意と台湾のために努力をしていることへの感謝をTSMCの全社員に伝えるよう頼まれたと話した。