(台南中央社)成功大学(南部・台南市)が南部の複数の大学や研究機関と共に開発した台湾初の国産沿岸型振り子式波力発電装置「WaveArm」(擎浪者)が4日、水槽試験を終えた。台湾の海洋エネルギー開発に有意な貢献をすることが期待されている。
成功大によれば、同装置は革新的な振り子構造を採用。筒型形状の浮体とアーム、動力取り出し装置で構成される。総重量は約3トン。絶えず打ち寄せる波の上下運動によって浮体を動かし、発電機を駆動させる。防波堤上に設置可能で海上での施工が不要なため、漁業や海洋の生態系への影響も減らせるという。
開発プロジェクトを取りまとめる同大沿岸海洋観測センター(近海水文中心)主任の董東璟教授は、プロジェクトチームは2年近くをかけて1000ワット級の試作機を開発したと説明。水槽試験の結果は満足のいくものだったとし、プロジェクトに補助金を出す国家科学・技術委員会から今後も引き続き研究開発や実地試験への支援を得られるよう期待を寄せた。