(台中中央社)中部・台中市の中国医薬大学水湳キャンパスで19日、「京都大学・中国医薬大学研究施設」の開所記念式典が開かれた。協力協定も締結され、今後はがん研究や、基礎研究を臨床医療に橋渡しする学問「トランスレーショナル・メディシン」、再生医療などの分野で協力が強化される。
施設は京都大が日本国外の大学や研究機関と共同で設置を進める現地運営型研究室、オンサイト・ラボラトリーの13カ所目として、同キャンパス内に設置された。京都大の資料によれば面積は約650平方メートル。京都大発の薬剤や技術を用いた臨床試験を同施設を介して中国医薬大に移管して行うほか、さらなる技術開発や共同研究も進めるという。
式典に出席した京都大の湊長博総長は、同施設が日台の学術ネットワークを強化し、世界に誇れる先端研究拠点へと進展していけばと期待を寄せた。
中国医薬大グループの蔡長海(さいちょうかい)董事長(会長)は、同施設の設置や同日行われたシンポジウムの成功は、両大に強固な協力基盤を築くだけでなく、国際的な医学研究の新たな手本にもなると言及。今後の実質的な協力が台日の生物医学における共同開発を前進させ、患者の生存率の改善や全人類の健康増進に寄与することだろうと語った。