(東京中央社)台湾人の写真家、宋隆泉さんの作品を紹介する写真展「台湾の自由風景─シャッターに収めた真実の記録」が9月29日、大阪市中央公会堂で始まった。宋さんが40年以上にわたって記録し続けた台湾の民主化の歴史を伝える。
展示は3部構成。「民主運動」では戒厳令の解除を訴えた1986年の抗議活動や台湾独立運動、言論の自由を求めて焼身自殺した民主活動家、鄭南榕氏の葬儀などを取り上げる。「大地の歌」では台湾各地の庶民の暮らしや歌仔戯(台湾オペラ)の発展、99年の台湾大地震などを収めた写真を、「勇気の人」では戒厳令時代から民主化運動に関わった謝長廷前駐日代表(大使に相当)や蔡英文前総統、台湾独立運動家の史明氏など、宋さんが敬愛する人物にフォーカスを当てた作品をそれぞれ展示する。
同日行われた開幕式には宋さんや複数の国会議員が出席。頼清徳(らいせいとく)総統や蕭美琴(しょうびきん)副総統らからは花が贈られた。
日本維新の会の和田有一朗衆院議員は、大学生だった85年、戒厳令下の台湾を初めて訪問して友人宅に泊まった際、家から一歩出ると政治批判はできなかったと振り返った。先人の努力で暗い時代を乗り越えたからこそ今の台湾があるとし、写真の中の人々に敬意を表したいと語った。
展示は2日まで。