アプリで読む
ダウンロード

日本統治時代の建造物・草山御賓館で修復工事、2026年完了へ/台湾

2024/03/26 15:36
「草山御賓館」の洋館で行われた上棟式の様子
「草山御賓館」の洋館で行われた上棟式の様子

(台北中央社)日本統治時代に建築された台北市の市定古跡「草山御賓館」で、修復工事が進んでいる。21日には骨組みの完成を祝う上棟式を実施。2026年の完了を見込む。台北市政府文化局は、3棟の建物が歴史の現場を取り戻すとしている。

御賓館は1923(大正12)年ごろに建てられたとされる。洋館と2棟の日本家屋、日本庭園が備わり、当時台湾を訪問した裕仁皇太子(後の昭和天皇)をもてなすために用いられた。戦後、洋館1棟が増築され、蒋介石(しょうかいせき)元総統や孫文の長男孫科(そんか)元考試院長(人事院総裁に相当)の住居として使われた。

歴史資料によると、50年に米のマッカーサーが訪台した時に、この場所で蒋介石夫婦と会談し、当時の政府が、安定して台湾・澎湖・金門・馬祖を維持することに寄与したとされる。文化局は、御賓館の歴史は、日本統治時代と戦後国民党が台湾に移ってきた時期をまたぎ、台湾の歴史発展上の重要な現場だとしている。

98年に台北市の古跡に指定されたが、建物と庭園の荒廃が進み、台北市政府と国が共同で修復することとなった。同局によると、管理機関である国家発展委員会が1億6千万台湾元(約7億5800万円)を出資、市政府に工事を委託した。2023年3月に着工し、洋館の床組と屋根の骨組みが完成した。

上棟式で同局は、古跡全体において重要な価値を持つ庭園の完全な修繕に、現状では費用が足りないとし、再度国による経費の追加補助を期待。庭園の景観を復元させることで、御賓館の完全な外観と文化資産としての価値が表現できるとした。建物修復後は、ラタンの洋風家具も復元し、教育面で活用することを明らかにした。

この日は、御賓館の沿革や修復作業、関連人物への取材などを収録したドキュメンタリーも公開された。

(陳怡璇/編集:中村充孝)

> 中国語関連記事
私たちはあなたのプライバシーを大切にします。
当ウェブサイトは関連技術を使用し、より良い閲覧体験を提供すると同時に、ユーザーの個人情報を尊重しています。中央社のプライバシーポリシーについてはこちらをご覧ください。このウインドウを閉じると、上記の規範に同意したとみなされます。
172.30.142.82