(台北中央社)宗教「一貫道」の台湾の信者3人が10月に中国広東省で拘束されたのを受け、台湾で対中政策を担当する大陸委員会は24日、「中国共産党の体制下では信教の自由という概念は全くなく、同党が進める宗教交流は全て統一戦線の道具であることを、国民は認識しなければならない」と呼びかけた。
3人の拘束は台湾の対中窓口機関、海峡交流基金会の羅文嘉(らぶんか)秘書長が今月4日、明らかにした。羅氏によれば10月10日ごろ、中国広東省の公安機関が民家に立ち入り、中にいた民間人を拘束。拘束された人数は明らかでないものの、一貫道の台湾の信者3人が含まれていた。3人はいずれも70歳以上で、現地の人々と共に一貫道の経典を読んだが、政治的活動には関わっていないという。
中国側は、刑法が定める「会道門を組織・利用し、法律の施行を破壊する罪」の疑いで3人を逮捕したと発表している。会道門は異端な宗教活動を行う組織などを指す中国の用語。
信者の拘束が両岸(台湾と中国)の宗教交流に影響を与える可能性もあるが、大陸委員会は24日、中国共産党が進める宗教交流は統一戦線の道具だなどと述べるにとどめ、宗教交流の一時停止などの対抗措置には言及しなかった。