今月17日に日本のラーメン店「麺家いろは」(Ramen Iroha)が台北市の松江路にオープンする予定。運営会社・天高くの栗原清会長は10日に中央社の取材に応じ、「台湾の大手総合食品メーカー義美との提携で、ラーメンの定義をひっくり返してビジネスすることになった」と語った。
天高く(富山県射水市)は、2016年に欧州初の店舗をギリシャに出店し、アジアでも同年12月に台湾の竹北(新竹県)に義美との提携で台湾1号店を出店するなど、積極的に海外展開をしている。
麺家いろはの一番のアピールポイントを尋ねたところ、栗原氏からは、「日本最大級のラーメンの祭典『東京ラーメンショー』は去年までで8回開催されており、麺家いろはは8年連続出場、5日間で最多1万4645杯を売り上げ、5回、1位に輝いている」という答えが返ってきた。また、「一蘭や一風堂など、豚骨スープの店が多い。でも、基本は豚骨でも、鶏系と魚介系を合わせた富山ブラックラーメンは麺家いろはの看板だ」と紹介した。
義美と調印した後、栗原氏は内心「困った」と思ったと打ち明ける。義美は非常にしっかしりした食の安心・安全に対するこだわりを持っており、その取り組みは並大抵ではない。
「義美と知り合って、工場へ来て、義美の考えを聞いてびっくりした。」栗原氏は当初を振り返る。 例えば日本では、ラーメンは「小麦粉を原材料とし、かん水(鹹水)というアルカリ塩水溶液を添加するのが大きな特徴である」と定義されている。ラーメンにかん水が入っていることによって麺のコシが生まれる。
最初は、「うちはそんな取り組みができない。そこまでのレベルは持っていない。恐らく義美が要求する理念というのは日本のラーメン屋じゃ、どこも持ち合わせていない。日本で、義美の基準に合っているラーメン屋は一軒もない」と思ったという。
それでも研究を重ね、なんとか日本の味に負けない麺が開発できた。栗原氏は、まだ完璧ではないといい、さらに麺のおいしさを高める取り組みを続けている。
「麺家いろはの看板は富山ブラックらーめん。でも、日本ではポピュラーとは言い切れない味覚。これをいきなり台湾の消費者に押し付けるつもりはないから、鶏ガラスープを使った鶏白湯(とりぱいたん)ラーメンを主力商品にする」というのが栗原氏の考え。
(楊明珠)