(宜蘭中央社)北東部・宜蘭県の蘇澳港で6月30日、新たに建設された旅客ターミナルの運用が始まり、乗客347人を乗せた日本の大型クルーズ船「にっぽん丸」が寄港した。記念式典に出席した李孟諺(りもうげん)交通部長(交通相)は、より多くの海外からの観光客が同港を利用して台湾を訪れればと期待を寄せた。
港を運営する台湾港務が発表した報道資料によれば、旅客ターミナルは同社が国の政策に合わせて設置。2月に完成した。1階に出入国管理などの施設が、2階には商業スペースが設けられた。
李氏は、蘇澳と距離が離れていない沖縄県の石垣島に多くのクルーズ客が訪れていることに触れ、蘇澳港の地の利を生かし、石垣島に寄港するクルーズについでに来てもらえれば、確実に商機をもたらせられるだろうと述べた。
この日寄港したにっぽん丸は前日に石垣島を出発。蘇澳には午前8時ごろに到着し、午後4時ごろには那覇に向けて出発した。蘇澳が同クルーズ唯一の日本国外の寄港地だったという。同社はにっぽん丸が今年末に再度寄港を予定している他、他のクルーズ業者からも問い合わせを受けており、今後さらに多くの国際クルーズ船が訪れる見込みがあるとしている。
取材に応じたにっぽん丸の乗客の日本人女性は、周辺の廟(びょう)を参拝したり海産物の販売店などが立ち並ぶ通りを散策したりして、宜蘭の濃い人情味を感じられたと話した。