(台北中央社)中央銀行の楊金竜総裁は23日、立法院(国会)財政委員会に出席し、台湾元紙幣全5種類の改刷を行う予定だと明言した。現行では野球少年が描かれている500元札の図柄について、台湾が初優勝した昨年の野球の世界大会「プレミア12」に関連するデザインに変更されることに対する期待が一部で高まっているが、楊氏は、具体的な図柄は諮問委員会が検討すると述べるにとどめた。
台湾元紙幣は100元(約500円)、200元(約1000円)、500元(約2500円)、1000元(約5000円)、2000元(約1万円)の5種類。現行のものは2001年から05年にかけて発行が始まった。
中央銀行の報告では、紙幣改刷に向けての動きを始動したと説明。偽造防止技術を強化する必要がある他、国際的に「エコな紙幣」が広がっていることを踏まえ、環境に優しい原料や製造工程を採用するとした。貨幣の改鋳については、額面が小さく発行枚数も多いことから効果が低いため、検討していないと説明した。
最大野党・国民党の林思銘立法委員(国会議員)は楊氏に対し、500元紙幣は改刷するかどうか、改刷する場合は野球に関連したテーマになるかどうかを質問した。
楊氏は、現行の500元紙幣の裏面に描かれているタイワンジカについて、以前は保護の対象となっていたため紙幣の図柄に採用されたが、現在は繁殖により個体数が増え、イメージが当時とは変わってきていることを理由に「必ず改刷する」と言及。一方で図柄は紙幣改刷に関する諮問委員会が決定すると述べた。
現行の500元紙幣に描かれている野球少年のモデルになったのは、1998~99年に国際大会で2度の世界一を果たした東部・台東県南王小学校の野球クラブ。