(台東中央社)東部・台東県の海岸にある複数の巨岩が、過去の津波などで別の場所から運ばれてきた可能性が高いことが、台東大学の研究チームの調べで分かった。今後東部沿岸における津波リスク評価の重要な啓発になるとして、防災対策の強化が期待される。
台東大理工学部地球システム科学研究センターの楊義清主任によると、県内の都蘭、都歴、基翬で古津波に関する調査を実施。そこで発見した巨岩などがいずれも津波の痕跡とみられるものとの関連が確認され、現在さらなる分析が進められているという。
巨岩は大きいもので数メートルに達し、重量も数トンを超える。周辺の岩と断裂面が合わないことから、楊主任は、地滑りや風、波ではなく、津波や遠洋の地震波エネルギーによって運ばれてきた可能性があるとみている。
研究チームは中央大学(北部・桃園市)水文・海洋科学研究所の呉祚任教授と連携して東部の古津波履歴の再構築を行っている。呉教授による津波シミュレーション研究の結果の活用で、沿岸地域における警報システムや防災計画に対する理解、準備の強化が見込まれている。