(台北中央社)小型船を操縦して北部・新北市の淡水河の河口に進入したとして、無許可で入国した罪などに問われていた中国籍の男に対し、台湾士林地方法院(地裁)は18日、懲役8月を言い渡した。
男は今年6月8日夜、中国福建省を小型船で出発。同9日午前9時ごろ、淡水河河口に進入し、民間船と接触して通報を求めた。その後、現場に駆け付けた海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)の職員に逮捕された。男は調べに対し、自身がインターネット上で行った言論によって中国政府から迫害されるのを恐れて台湾への渡航を図ったと話したという。
士林地裁の報道資料によると、男は大陸地区の人が無許可で台湾に進入することを禁じる台湾地区・大陸地区人民関係条例違反と出入国・移民法の無許可入国罪に問われた。
裁判官は、男が台湾に入境するために台湾の海防を熟知し、主務機関の許可なく自身で船を操縦する形で台湾の北西部の海域を横断して入境したことは台湾の国家の安全と政府の出入国管理の正確性に重大な損害を与えたと指摘。一方で、男が一貫して犯行を認める態度を示していることや、犯行の動機、目的、手段、状況、男が自供する知能水準や経済状況などを鑑み、懲役8月と犯罪に使用した物の没収を言い渡したとした。男が犯行後に自発的に通報を求めたことなどから自首の規定を満たすとし、減刑した。