(高雄中央社)海巡署(海上保安庁に相当)を傘下に持つ海洋委員会は8日、南部・高雄市の高雄港で演習「海安12号」を実施した。視察した頼清徳(らいせいとく)総統は、複雑化する海域の安全課題に対応するため、立法院(国会)に対して党派の枠を超えて特別予算を支持し、海巡署の後ろ盾になるよう呼びかけた。
頼氏はあいさつで、国際的な地政学的状況が急速に変化し、異常気象も頻発している中、台湾は中国からのグレーゾーン作戦(武力攻撃と判断しにくい手段で圧力を加える行為)による侵害にも常に直面していると言及。海巡署の職員は最前線に立って犯罪の取り締まりや密輸の捜査、救助活動に尽力して人々の命や財産の安全を守っていると述べた。
海洋の安全保障は“決心”だけでは足りず、継続的な資源の投入が必要だとし、行政院(内閣)が4100億台湾元(約1兆9800万円)の特別予算を組んだと説明。これには巡視船の建造計画や海岸・近海のスマート監視システムの整備、人材育成、装備の性能向上など、海巡署関連の予算も含まれているとし、支持を呼びかけた。
演習は原則として2年に1度行われるもの。空軍や海軍の部隊、内政部(内務省)空中勤務総隊なども参加した。