(台北中央社)5月下旬以降、日本の戸籍の国籍欄に「台湾」と表記できるようになるのを受け、日本の超党派の国会議員でつくる日華議員懇談会(日華懇)の古屋圭司会長と木原稔事務局長が26日、東京都内で記者会見を開いた。両氏は、戸籍の表記は「人権に関わる問題」だと述べた。
法務省が1月21日に公表した戸籍法施行規則改正案によれば、戸籍の「国籍」欄が「国籍・地域」欄に変更され、同欄に「台湾」と記載できるようになる。同様に「パレスチナ」の記載を認める内容も盛り込まれた。外国人は日本人と結婚しても戸籍は作られないが、これまで台湾出身者が日本人と結婚し、配偶者の日本人の戸籍に記載される場合に、国籍が「中国」と表記されていた。
戸籍における台湾出身者の国籍表記の問題に関し、日華懇は何年も前に台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)や在日台湾人団体から、問題解決への協力を要請されていたという。2022年11月に専門チームを立ち上げ、台湾人の妻を持つ滝波宏文参院議員を座長として慎重に働きかけを進めていた。
この日の記者会見の前には、日本人と結婚した台湾人女性約10人らを集めた会合が開かれ、意見を交わした。会合には日本の法務省や外務省の官僚も出席した。
古屋氏は、戸籍表記の問題の根本にあるのは、米国や日本、台湾など同様の価値観を共有する国家が共に協力していくという考え方だと言及。トランプ米大統領の就任後、米国務省の公式サイトから「台湾の独立を支持しない」との文言が削除されたことに触れ、これは中国に対する世界の大きなけん制だと述べた。その上で、戸籍の国籍表記の改正も、中国をけん制する意味合いがあるとの考えを示した。
日本が戸籍に「台湾」の記載を認めることに対し、中国で対台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は同日、「一つの中国の原則に背いている。中国の内政への著しい干渉だ」と日本政府を非難した。これについて古屋氏は、全ては予想の範囲内だと語り、重要なのは、戸籍の国籍表記が人権に関わる問題だということだと強調した。