(台北中央社)海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)は25日、台湾本島と台湾海峡の澎湖を結ぶ海底ケーブル「台澎3号」を断線させた疑いでトーゴ船籍の貨物船を拿捕(だほ)した。その後の調べで、同船が複数の船名を使い分けていた可能性があることが新たに分かった。
海巡署によると、同船は22日午後7時10分から南部・台南市将軍漁港の北西約6カイリ(約11キロ)地点に停留し、25日午前2時30分にいかりを下ろしているのが確認された。同3時過ぎに通信大手の中華電信からケーブルが損傷したとの通報を受け、海巡署は午後0時15分に同船を拿捕し、台南市の安平港に移動させたという。乗組員8人は全員中国人だった。
同船は船体の側面に「宏泰168」と記されていたが、船舶自動識別装置(AIS)上では「宏泰58」と表示されていた。また拿捕後の捜査で船尾には「善美7」と書かれていたことも判明した。
海巡署は、武力攻撃と判断しにくい手段で圧力を加えるグレーゾーン作戦の可能性を排除しないと指摘。台湾台南地方検察署(地検)による事情聴取は現在も続いているとし、検察の捜査に協力し、真相の究明に全力を尽くすとしている。