(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は21日、立法院院会(国会本会議)で20日に野党側の強行採決で可決された公職人員選挙罷免法など三つの改正案について、民主主義国家の権力分立の原則が奪われただけでなく、人民をあるじとする真理に背くとの認識を示した。民主主義の争いは、より大きな民主主義の力で解決するとし、台湾の民主主義を守る決意を示した。
台湾は立法委員(国会議員)数で野党・国民党が政権与党・民進党を上回る「ねじれ」が生じている。19日夜から20日朝にかけては民進党立法委員が強行採決を阻止するため議場の議長席を一時占拠し、国民党立法委員とももみ合いになるなど混乱した。
頼総統は、リコール(解職請求)案の署名者の審査などを厳しくする公職人員選挙罷免法の改正について、人民が国会を監督する権利を奪ったと指摘。いずれの法案も与野党協議の正しい手順を踏まずに強行採決されたと不快感を示した。
また抗議のため立法院前に集まった市民について、彼らが身をていしているのは人民の権利を守るためだと強調。人民には全ての政党に属する一人一人を監督する権利があり、嘲笑や中傷されるべきではないと語った。
卓栄泰(たくえいたい)行政院長(首相)も同日、憲法の権利や憲政体制などを維持するため、行政院(内閣)は憲法が定める救済手段を取り、憲政の秩序を守ると語った。